タイ王国は、健康保険や医療保障の対象となっていなかったインフォーマルセクターの国民を対象とした国民医療保障制度（Universal Coverage Scheme）を2002年に開始したことにより、人口のほとんどをカバーできるようになった。しかし、医療費の公的支出増、の給付内容や報酬制度に係る異なる医療保障制度間の相違、急速に進む高齢化社会への対応等に迫られた。また、タイは自国のUHCの経験をもとに開発途上国への支援を積極的に展開する流れにあり、日本政府に対し、これらの取り組みに係る技術協力を要請するに至った。
当該プロジェクトは、その基本コンセプトの具現化を目指すものであり、基本計画の策定に際し、評価５項目の観点から、事業の必要性、妥当性、目的、内容、効果（有効性）、外部要因、リスク等を整理することが求められた。当社は、コンサルタントを派遣し、事業計画の適切性を総合的に検証し、M/MやR/Dドラフトの作成に協力すると同時に、調査結果を事業事前評価表および基本計画策定調査報告書に取りまとめた。