プロジェクト紹介/現場レポート

  • 基礎教育
  • 2023年05月 ~2028年03月
  • 技術協力(業務実施型)
【マラウイ】
みんなの学校(住民参加型教育開発)プロジェクト

マラウイ共和国(以下「マラウイ」という。)では、1990 年の万人の教育会議の決議を受け、1994 年に初等教育を無償化し、初等教育の純就学率が 88%(教育省、2021年)まで到達するなど、学校へのアクセスは大幅に改善した。

しかし、初等教育の留年率が21%(教育省、2021 年)近くに及ぶ他、初等教育修了率は 50%(教育省、2021 年)に留まり、教育の内部効率性に大きな問題を抱えている。また、女子児童は 4.6%と男子児童の 4.2%と比較し中退率が高く(教育省、2021年)、新型コロナウイルス感染症拡大による学校閉鎖で、妊娠・出産により中退する女子児童が増えたとされる。また、2012年から 2014 年に実施された SACMEQ1 (The Southern and Eastern Africa Consortium for Monitoring Educational Quality)の調査結果によると、6 年生の調査結果は調査対象 10 カ国中、読み書きが最下位、算数が下から 2 番目という結果であると報告されており、初等教育の質の低さが浮き彫りとなっている。

こうした現状を打破すべく、マラウイ政府は、長期国家戦略「Malawi 20632」で教育を重点課題の一つに掲げている。また、教育セクター計画(National Education Sector Investment Plan: NESIP)(2020 年~2030 年)においても、学校運営委員会を含む学校運営の強化を通じて教育の質を改善することを目指している。特に教育の質に関する課題解決のためには、学校運営の改善が必須と考えられるが、学校運営委員会は適切な学校運営を行う能力を有していない(YESA32019)。

上記を踏まえ、学校運営の強化を通じて教育の質を改善すべく、マラウイ政府から、みんなの学校(住民参加型教育開発)プロジェクトに係る技術協力を我が国に要請された。本事業は、プロジェクト対象地域の小学校において、コミュニティ協働型学校運営に基づいて質の高い基礎教育が提供される基盤の整備を支援することで、これら子どもの学習に係る課題解決を図ろうとするものであり、マラウイの教育セクター計画で掲げる学校運営委員会を含む学校運営の強化を通じた教育の質の改善に貢献する優先度の高い事業として位置付けられる。

なお、本事業は「コミュニティ協働により初等教育の質が改善される」ことを上位目標に据え、5年間のうちに「持続可能で普及可能な学校運営に係る仕組みが構築される」というプロジェクト目標を達成するために実施されている。

一覧に戻る