プロジェクト紹介/現場レポート

  • 保健医療
  • 2023年05月 ~2023年12月
  • 無償資金協力事業に関連する準備調査(補強)
【ベトナム】
国立がん病院機材整備計画準備調査

ベトナムでは、経済成長に伴うライフスタイルの変化に伴い、近年死因上位を占める疾病は感染症から非感染性疾患へと変化しています。2019 年の全死因のうち非感染性疾患による死亡割合は約 80%(保健指標評価研究所:IHME)で、非感染性疾患による死亡のうち、がんに関連する割合は 2016年時点で約 4 割を占めており(世界保健機関:WHO)、新規がん罹患件数(約 18 万件、2020 年時点、国立がん病院)は年々増加傾向にあります。

このような状況下、ベトナムは、「国民の健康保護・治療強化のための国家戦略(2011-2020 , 2030 年の目標)」(首相決定)において、非感染性疾患の予防と管理、高度専門医療の整備を目標に掲げており、「非感染性疾患の予防管理戦略」(首相決定)では、2025 年までに「がん、心血管疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患による早期死亡の 20%減少」及び「一般的がん疾患の早期診断率の 40%増加」(いずれも対 2015 年比)を目標としています。

ベトナムのがんの診断・治療においては、ハノイ市に位置する国立がん病院が中心的役割を果たしています。同病院は、3 施設、2,100 床を有するベトナム最大のがん専門病院で、全国がん治療ネットワークの拠点病院でもあります。年間 8 万人以上の入院患者と40 万人以上の外来患者を受け入れ、2.5 万件の外科手術を実施しています。

他方、同病院は施設老朽化や医療機材不足により、今後も増加が予想される患者ニーズに十分対応できていないため、第一施設を建て替え中で、2023 年中の稼働に向け、新施設に必要な機材整備が喫緊の課題となっています。

本事業は、同病院の第一施設の医療機材を整備することにより、がん診断・予防体制を強化し、医療サービスの質向上を目指し、今般、本事業実施に係る必要性及び妥当性を詳細に検証し、無償資金協力として適正な概略設計を行った上で概算事業費を積算することを目的とした協力準備調査です。 

弊社は、インテムコンサルティング株式会社が主契約者として受注した本案件に、「保健医療計画」分野のコンサルタントを派遣し、調査業務の遂行に寄与する役割を担います。

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