コンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)では、死因の約4割が感染性疾患で占められているほか、黄熱、エボラウィルス病やコレラのアウトブレイク(地域的蔓延)が頻繁に報告されており、当国における新興・再興感染症及び感染症対策能力の更なる強化は喫緊の課題である。三大感染症ではマラリアやHIV/エイズは減少しているものの、薬剤耐性結核やHIV/結核の重複感染などの難治性結核が増大しており、結核による死亡率も高い。また、今年8月に始まったエボラウィルス病の流行では、コンゴ民国内で特に人口が多い州で発生し、死亡率も57%と極めて高い。それ以前には今年5月に首都キンシャサへ続く交通機関の主要な拠点である都市部においてもエボラ出血熱が確認されており、感染が大都市に及んだことへの危機意識が高まっている。
本案件は、2017年10月に行われた詳細計画策定調査をベースに、新たな課題やニーズを改めて調査し、プロジェクトの事前評価を行うことを目的とし、プロジェクトに係る計画枠組み及び実施体制等を再整理した上で、活動、指標等の内容を確認・協議し、プロジェクトに関わる合意文書(M/M)への署名、交換に至るプロセスを支援した。