ミャンマー連邦共和国(以下「ミ国」)におけるHIV感染は、社会的弱者・リスクグループの間で大きな問題となっている。同国の統計によると、現在4割以上のHIV感染者が抗レトロウイルス療法(ART)を享受することができると推定されており、このARTへのアクセスの改善により、これまで致命的であったHIV感染者の予後は改善され、寿命は延びることとなった。一方で、HIV感染者がいる家庭がさらされる社会的および経済的インパクトは大きく、これらのインパクトを早期に把握し、軽減させる政策を打ち出す必要がある。当該調査は、インド、中国、カンボジア、インドネシア、ベトナムなどにおいても実施されてきた「HIV感染が世帯に及ぼす社会経済的インパクトに関する調査」(以下(同調査))の一環であり、社会福祉政策やHIV感染者のケアなどの国家政策及びSDGsの目標達成に貢献することを目的としている。当社は、本調査のミ国における実施にあたり専門家をUNDPに派遣し、当該調査の計画および実施に携わり、その結果を報告書に取りまとめた。