マダガスカル国の基礎教育開発は、2019年に初等教育の純就学率が95%に達し、就学前教育の純就学率は37%まで上昇する等、教育のアクセスの面で大きな成果を残してきました。一方で、初等教育の進級率は、2011年の41%から2015年には35%まで低下、初等教育修了率は、2011年の71%から2019年に63%にまで低下しており、小学校最終学年において十分な読解力を身に着けているのは18%、計算力は22%に留まるなど、同国における基礎教育の質については依然として大きな課題があります。
こうした状況を打破すべく、マダガスカル政府は、国家開発計画において教育開発を重要課題と位置付け、深刻化している基礎教育の質の改善を目指しています。
本事業は、先行フェーズである「マダガスカル国みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクト(フェーズ2)」において、コミュニティ協働型学校運営改善モデル(※1)及びコミュニティ協働型学習改善モデル(※2)を、11県約1万校へ普及した成果を踏まえ、開発パートナーとの協働の下、同モデルの全国23県への普及を目指します。
また、前フェーズの成果や教訓を踏まえて、教育改善に向けたモデルの持続性、発展性、強靭性を高め、プロジェクト終了後も持続的な活動が実施されるようモデルの普及・定着を図ります。
※1:教員と保護者を超え、コミュニティに広く開かれた協働により学校運営の活性化に取り組むもの
※2:※1の導入により、活性化された学校運営を基盤とし、コミュニティ協働による学習改善活動を推進するもの