日本が主たるドナーとして支援する人間の安全保障基金(UNTFHS: United Nations Trust Fund for Human Security)は、1999年の設立以来約200件のプロジェクト実施を通じて、国際社会が直面する貧困・環境破壊・紛争・地雷・難民問題・麻薬・HIV/AIDSを含む感染症など、多様な脅威に取り組む国連機関等の活動の中に人間の安全保障の考え方を反映させ、人間の生存・生活・尊厳を確保していく活動を行ってきた。本評価業務は、当該基金の活用状況と成果、またそれらに対する日本政府の関与について、政策性や有効性等の面から評価を加えた。当社のコンサルタントは、調査団の一員として、主に基金を活用したことのある国連機関、NGO等から情報を収集し、その分析を担当した。具体的には国際機関に対するアンケート調査、外務省、本邦NGOをはじめとする関係者からの聞き取り、またタイ、トルクメニスタンにおける現地調査を通じて、実際に当該基金を活用している国際機関、現地政府、現地NGO等の関連機関から聞き取り等を行い、調査の結果を報告書にまとめた。